シリコンの代わりは肋軟骨で!肋軟骨粒子でする鼻の手術

鼻の手術のご相談で、シリコンのような補形物を使用せずに、自家組織の材料だけで手術を望む方が増えています。鼻の手術で使用される主な自家組織といえば、耳介軟骨、鼻中隔軟骨、肋軟骨があります。

ところでこの肋軟骨の使用方法には、胸から採取したものをそのまま使用する方法、粒子化して使用する方法と、大きく2つに分かれます。さらに粒子化する際にも普通に粒子化超微細に粒子化する方法とにわかれます。このように肋軟骨をどのような方法で使用しているかは病院や医師によって異なるので、注意が必要です。

今回は、肋軟骨を超微細の粒子にして使用する方法についてご紹介したいと思います。

肋軟骨のブロック
既存の粒子化した肋軟骨(粒が大きい)
超微細に粒子化した肋軟骨
超微細に粒子化した肋軟骨は筋膜で包む必要がない

通常の粒子化した肋軟骨は筋膜で包んで鼻に挿入します。それは、粒子がバラバラになるのを防ぐためです。

筋膜で包んだ肋軟骨粒子のデメリット
・デコボコしてしまう
・除去するのが難しくなる
・手術時間が長くかかる

超微細な肋軟骨粒子は筋膜で包む必要がない

超微細な肋軟骨粒子の特徴!

①粒子の大きさは0.3mm~0.5mm!
安全に採取した肋軟骨を精密機械で細かく砕きます。この過程によって一般的な塩の半分の大きさ0.3~0.5mmくらいの超微細粒子に加工されます。

②一人一人に合った形を実現できる!
粒子がとても細かいので鼻背に挿入後、不規則な境界線はほとんどなく、曲がるといった現象もありません。空気層が小さい超微細粒子の凝集力、すなわち凝固してくっつく性質が強いので、粘土で形を作るように一人一人に合わせて形成することができます。(筋膜で包む必要もありません)

③手術時間はたったの1時間!
身体に挿入後、医師の手によって形成するため、入れたり出したりする作業がなく、手術時間も1時間程度で終わり、その分回復も早まります。

④吸収される確率は10%以下!
皮膚の拘縮現象によっても吸収率は変わりますが、一般的に吸収率は10%以内に過ぎず、生着率は高いです。

⑤部分的な矯正も可能!
鼻の形成だけでなく、0.1ccの極少量単位で鼻横の窪みを埋めるなど非対称的な要素を矯正することができます。

肋軟骨粒子で鼻手術をするメリット

1.自家組織なので、副作用や炎症の心配がありません!

2.曲がる心配がありません!

軟骨は曲がる特徴があるため、肋軟骨全体を鼻背に挿入すると、のちに曲がってしまう恐れがあります。しかし肋軟骨を粒子化すれば、曲がる現象はありません。

3.軟骨フィラーで再手術も簡単!

人工の補形物を使った鼻整形をすると後に再手術をする際には、また新たな補形物を再挿入しなければなりません。しかし、微細粒子の肋軟骨を使った手術であれば、粒子を保管できるため、フィラー注射のように、鼻背や鼻先に注入して簡単に再矯正することができます。

まとめ

通常、鼻手術で鼻背に使われるのはシリコンですが、最近の傾向としては、すべて自家組織を使った手術を考慮する人が増えてきています。肋軟骨は胸下部分を切開する手術であるため、大きな手術のように思われるかもしれませんが、実は手術事態はとても簡単で切開傷も上手な医師であれば1cm程度と、ほとんど傷は目立ちません。しかし採取した肋軟骨は時間の経過とともに曲がるという特性があるため、そのままブロックの状態で挿入すると、後々、鼻筋が曲がってしまう恐れがあります。それを考慮して開発されたのが肋軟骨の粒子化です。この方法で手術を行っている病院はすでに多数ありますが、同じ粒子化でも今回ご紹介した超微細粒子はおすすめの方法ですので、ぜひ今後の参考にしていただけたらと思います。