輪郭を削ると骨が弱くなる?!~整形手術の誤った情報

整形手術について、いろいろな情報が氾濫している昨今ですが、中には誤った情報が出回っているのを見聞きします。そこで今回は気になったものをいくつか取り上げてみました。

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▲顔の骨を削ると、歳をとったときに苦労する?

しゃくれ顎、エラ、頬骨、突出口などの顔面輪郭の手術で、顔の骨を削ると“骨が弱くなって 骨粗鬆症になりやすく、歳をとったら苦労する”というものを信じている方がいるようです。

しかし、顔面輪郭手術で行う切除される骨は、噛み合わせの異常や美容上の輪郭の形を整えるための少量のもので、骨自体に影響はありません。輪郭手術は精密な検査と計測をした上で行われ、患者さんがいくら望んだとしても、個人の健康状態や身体条件をもとに最も安全な範囲内で手術が施されます。したがって顔の骨を削ったからといって歳をとったら骨粗鬆症になるというのは、全くの事実無根です。

 

▲全身麻酔で目覚めなかった…なんてことはよく起こる

過去に、全身麻酔の状態で手術を受けそのまま目覚めずに亡くなったという死亡事故のニュースがありました。そのため、もし自分も全身麻酔の手術でそのまま目覚めなかったら?と心配される方は多いかと思います。

しかし全身麻酔は、他の医学的な技術と同じように、麻酔の技術や麻酔薬の発達によって、本来そのような事故が起こる可能性は極めて低いものです。麻酔科専門医が常駐している病院で、きちんと事前検査を受けたうえで全身麻酔の手術を受けるのであれば、まず心配はありません。そういった心配がある方は麻酔科専門医が常駐かどうかを調べて病院を選択してください。

 

▲ 整形手術は、できるだけ若い時にしたほうがいい?

なるたけ若いうちに、それも未成年のうちに手術したほうが大人になったときに手術の痕跡もなくバレないですむのでは?と考えている方がいます。しかし若いからと手術の結果がすべて良いというわけではありません。特別なケースを除いて、整形手術は思春期を過ぎてから行うのが望ましいです。特に顔の骨や鼻、胸といった部位は18歳まで成長し、それ以降完成するため、手術は成長が終わってから可能となります。年齢によって腫れや回復の差があることにはありますが、それは手術の結果に決定的な影響は及ぼしません。

人の顔は先天的な要因だけでなく成長過程や生活習慣などによっても少しずつ変化するので、整形手術はすべての成長を終えてから受けたほうが、より満足のいく結果を得ることができます。