顎や頬骨などの輪郭手術において好まれているものに、“透明輪郭”というものがあります。この“透明輪郭”とは、手術で切った骨を固定させるのに吸収性の固定ピンを使用することをいいます。またこの吸収性固定ピンには種類があり、既存のものは高分子でできたプラスティック性のピンでしたが、現在はカルシウム(オステオトランス)ピンが人気を呼んでいます。今日はこのカルシウムピンについてご紹介したいと思います。
4世代カルシウム(オステオトランス)ピンとは?
合成高分子(PLLA)とカルシウム成分(u-HA)が吸収されながら骨として代替される新概念、4世代吸収性の手術材料です。吸収性の材質で成り、2次手術の必要がなくX線にも写らないため手術後の痕跡が残りません。金属材料に対する恐れや心配もありません。カルシウム成分が入っており、骨をさらに丈夫にしてくれ、骨と結合しながら吸収されるため、固定されたピンとスクリューは吸収される間も動くことなくそのまま固定されます。アメリカのFDAで唯一Mandible(下顎)にも使用されている製品として承認を得ています。
既存の溶けるピンとの違い
4世代のカルシウム(オステオトランス)ピンは、金属のチタンピン(2世代)に劣らず、吸収性高分子ピン(3世代)のように骨に吸収されながら、カルシウム成分が骨をさらに補強してくれるという利点があります。また3世代のピンは前顎の固定に使用され、頬骨の固定には適用されませんでしたが、4世代のピンは前顎、両顎、頬骨ともに使用できます。
百瀬
このカルシウムピンですが、実力検証された病院に限り供給されているものですので、取り扱いがあるかは病院に確認が必要です。