カウンセラーがこれをやると違法?!

こんにちは、百瀬です。

韓国の美容外科やクリニックには、必ずといっていいほど、カウンセラー的な役割をしている人物が存在します。その人物の正式な役職名は“相談室長”であり、略して“室長”と呼ばれていることが多いのですが、今回は、この室長に焦点をあてて役割などについてお話ししたいと思います。

 

先日、韓国のネットの書き込みでこんなものを見かけました。

今日カウンセリングに行って、来週手術をすることになりました。先生不在だったので室長と相談して決めたんですが、先生には手術当日に会えるそうです…これって大丈夫でしょうか?

この書き手の方が心配されていること…それは、“室長とのカウンセリングだけで手術を決めてしまった”ことです。書いた本人もおそらく頭では、≪手術は先生とカウンセリングをして決めるもの≫とわかっているからこそ、後悔と不安からこのような書き込みをしたのだと思います。

では室長と相談して手術を決めたことがなぜ悪いのでしょうか?

 

室長は医療人ではない?!

まず理解しなければならないこと、それは室長は医師免許を持った医者でもなければ、ほかの国家資格を持つ医療人でもないということです。室長というポジションに就いている人は、長年美容外科での勤務経験があったり、あるいはコーディネーターの資格を持ってるなど、美容や医療に関する知識が豊富な方が多いため、中には室長と話をしているとまるで医師と相談をしているかのような錯覚に陥ってしまう方もいます。
※韓国には医療コーディネーターという資格がある

しかしここで重要なポイントです。

韓国では非医療人がカウンセリングを行い、相談者の手術または施術内容を決定するような医療相談を行うことは違法行為にあたります。

 

ここで先ほどの書き込みの文を見返してみると、「室長との相談だけで手術を決めた」と言ってます。

相談者の症状を聞いて、施術部位と施術内容を決めることは、診療行為とみなされるため、その室長の行為は問題であり、医療法第27条(無免許での医療行為などの禁止)に抵触します。

 

室長の役割とは?

ではなぜ室長という人物が存在するのでしょうか。それは、“カウンセリングの補助的な役割”を担うためです。先生とのカウンセリングだけでは理解しきれなかったお客さんのために、手術に対するさらなる理解をしてもらい、安心して手術を受けてもらうための手伝いをしているといえます。具体的には次のようなものです。

・相談者の悩みを聞きだす
・相談者の手術に対する不安を取り除くためのアドバイス
・手術にどんな効果があるのか症例などを公開
・手術後のダウンタイムの過ごし方
・術後の治療やアフターケアについて
・病院や先生のスケジュールについて
・手術前や手術後の注意事項
・手術にかかる費用の案内

相談者や患者の状態を診断したり、手術内容を決めたりすることは立派な医療行為です。手術方式や手順についての相談は必ず医師が行わなければなりません。

 

室長が看護師資格を持っていたら?

病院によっては、看護師を兼任して室長をやっている方や、看護師資格を持っている室長がいる場合もあります。看護師なら医療従事者だから大丈夫なのでは?と思うかもしれませんが、たとえ看護師であっても診断行為をすることは、違法とみなされます。医師の手助けをすることは可能であっても、医師に代わって医療相談や診断を行うことは間違いです。

 

まとめ

病院にいる相談室長と呼ばれる人たちは医療人ではありません。このため医師に代わって相談を受けて診断を下す行為は違法にあたります。手術の決定を左右するカウンセリングは、たとえ短い時間であっても医師と相談することが重要ですので、もし先生が不在だったり、会えなかった場合には、日にちを改めたり、あきらめて別の病院へ行くという選択も必要かと思います。

またLINEやメールといったオンラインでの相談をする機会もあると思いますが、医師ではない第三者が診断を下している場合もあるのでやはり注意が必要です。コロナ禍前に、数多く開催されていた日本でのカウンセリング会なんかでも、実は先生不在で先生に代わって室長がカウンセリングを行っていたなんていう病院もあったようですが、これらはすべて違法にあたります。

 

というわけで、今回は韓国の美容外科やクリニックに存在する“相談室長“の役割について取り上げてみました。これから韓国の病院でカウンセリングを受けようと計画のある方は、ぜひ参考にしていただけたらと思います。

※韓国での美容医療・手術のご相談はLINEにてお預かりしております※

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